あなたは今まさに階段を踏み外し真っ逆さまに落ちてゆく。
あぁ、その衝撃たるやいかほどか…頭の端で何故か冷静に分析しながら目を閉じ、少しでも己のが身を守るべく頭部を庇い来るべき衝撃に身構えた。
しかし硬いはずの床は不思議とふうわりとあなたを受け止めたのだ。
直後に甘いバリトンが降ってきた。
「大丈夫?───最上さん!」
───と。
あなたがゆっくり瞳を開くとどこかで見たことあるような、しかし現実世界ではお目にかかった事がない優れた美貌の持ち主が心配そうに顔を覗き込む。
それは知っている人物。
対面するはずがない、そんなこと不可能な。
彼を見、驚いたあなたは───、